オンラインショップにおける消費税の考え方:その2

前回、消費税の計算方法(端数処理のタイミング及び処理の仕方)によって、合計金額が異なることについて、いくつかの事例を挙げました。今回はこのいくつかの方法の中で、どれを採用すべきかについて、「利用者」「消費税法」「オペレーション」の3つの観点から考えてみます。

利用者(顧客)の観点

合計金額のわかりやすさ

前回の記事のように、消費税の一般的な計算(税抜合計価格に税率を乗じる)を行うと、端数の処理で合計金額が税込単価の合計とは異なる場合があります。税込表示されていた場合、100円を5個買ったら500円というのが一般的な利用者の感覚だと思われますので、それが501円になることは、計算上やむを得ないことであり、また、預り消費税は売り手の利益になるものでないとは言え、あまり印象が良くないように思われます。この観点からは、税込価格✕数量が、お支払い金額合計になることが望ましいと考えられます。

端数の処理

後述するように、税法上は「切上げ」「切捨て」「四捨五入」のいずれを選択しても構わないとされています。しかし、消費税の納税額を計算する際は、「千円未満の切捨」が行われますから、納税時に切捨てされるはずの消費税を、1回の購入ごとに「切上げ」や「五入」してしまうことは、納税額の計算方法を知っている利用者様や顧客様からは、あまり印象が良くないように感じられます。

消費税法の観点

端数の処理

1取引あたりの消費税の計算方法は、「切捨て」「切上げ」「四捨五入」のいずれを採用しても、一貫して採用しているものであれば構わないこととされているようです。また、税率を乗じる形でなくとも、税抜合計金額(=税抜単価✕数量)と税込合計金額(=税込単価✕数量)の差額を消費税とすることも、一貫採用であれば問題がないとのことです。(前回記事で記載したように、STANDSもデフォルトではこの計算方法を採用しています。カスタマイズは可能です。)

端数処理が自由とされている背景

消費税額の納税は、年度末に「原価等で支払った消費税(仮払消費税)」と「顧客から売上時に受け取った消費税(仮受消費税)」の差額として納税することになります。この際、年間の合計金額をベースに計算され、千円未満は切捨てされるので、1取引あたりでの処理によって積み上がった1円単位の差額がそれほど大きな金額となって差額の利益や損失となることは想定されません。

以上のように、消費税の納税の観点からは、処理の方法は「一貫している」という点だけ気をつけておけば、それほど考慮すべき点はないように思われます。

消費税の計算イメージ

他のオペレーションの観点

オンラインショップの運営を行っている企業様は、一部を覗いて店舗での販売や、B2Cの取引を行っているケースが多いと思われます。その場合、「オンラインショップ以外でのチャネルでの消費税の計算方法」と統一していることも実務上重要です。実際に、大きな金額の場合は、消費税の処理方法を契約書等の文言で明文化していたり、システム上、従来の一般的な計算方法である「税抜合計に税率を乗じて切捨」を行っている場合も一定数あると思われます。
この場合、オンラインショップへの内部取引や、企業全体での仕訳登録時に端数が出るケースが考えられます。これは、オンラインショップの顧客様にはあまり関係のない話ではありますが、業務の効率化を阻害するため、STANDSを利用して下さっている企業様の中でも、統一処理を求められる企業様は一定数いらっしゃいます。

STANDSでのカスタマイズ

STANDSでは、デフォルトの消費税計算以外の方法で計算を行う場合、カスタマイズ対応を行っていますが、やはり一定のイニシャルコストが発生します。そのため、簡略化した方法として、「消費税調整」の項目で、顧客向けの合計金額を調整する方法もご提案しています。この場合、「消費税調整」の項目が合計金額の減額になるように設定されていれば、顧客にとって不都合がある話ではないので、特にクレームも発生しないものと思われますし、同時に他チャネルとの整合性も図ることができる方法だと考えています。